さて、まずは、「MLMとはなにか」説明しましょう。
MLMは、マルチレベルマーケティングの略で、日本国内においては、連鎖販売取引にあたります。
同様に、マルチ商法、ネットワークビジネスなどもすべて同じ意味です。
MLMとは何かを知るために、一番わかりやすい説明は、ビジネスモデルを知ることだと思います。
MLMのビジネスモデルは、一般的に次のような形態をとります。
・加盟者が新規加盟者を誘い、その加盟者がさらに別の加盟者を誘引するという連鎖により、階層組織を拡大する仕組みです。
・加盟者は、個人であったり、また法人のときもあります。
・組織に加盟している者は、契約上は商品を売る企業から独立した事業主の立場となりますが、多くの場合、上位加盟者(アップ)から誘引された他の加盟者やダウンラインなどとグループを持ち、組織的に新たな従事者を誘引する活動を行っている場合が多いです。
これらのグループ内において独自の資料(主宰企業が非公認)を作成して誘引活動を行っていることがあり、疑似科学や誇大宣伝による勧誘などの問題を生じる一因になっています。
2008年に業務停止処分をうけたMLM企業のニューウエイズは、経済産業省よりこの独自資料が問題として指摘され回収を指示されています。
・新規加盟者を増やすことや、加盟者及び配下の加盟者(ダウンライン)の商品購入金額により、自分がランクアップしたり(ランク制度)、報酬(コミッション、ボーナスとも言われる特定利益のこと)の対象範囲が大きくなり、利益が増える仕組みがあり、報酬計算システムは、会社によって全く異なります。
・現在のマルチ商法形態の中には、商品と金銭の流れは全て(もしくは大部分)主宰企業から会員直接の取引となり、紹介者、紹介された人との間での売買関係はないのが通常です。
・中には、会員権で、購入組合(Buyers Association)の様な組織形態を持つ物もあります。
以上が、MLMの説明です。
簡単に言ってしまえば、組織拡大はネズミ講と同じようなものです。
ネズミ講は違法ですが、勧誘において製品が介在している、という点が、MLMとネズミ講の違いです。
この時点ではビジネスモデルに問題ないように見えますが、いったいどうして問題となってくるのでしょうか。